2009年12月24日

ミハエル現役復帰。

・M.シューマッハ、2010年メルセデスGPと正式契約
http://www.fmotor.net/f1/news/2009/091224_01.htm

2006年シーズンを最後にF1を引退したM・シューマッハが、2010年にメルセデスGPから復帰するというお話。 少し前の「噂の段階」から、ドイツを中心としたヨーロッパ方面のF1関連メディアはこの件で随分と盛り上がっていたし、今が絶頂のようだが。

しかし。あくまで私見として述べるが、ミハエルのこの決断は凶と出る気が強くしている。

いくら今もハードなトレーニングをしているとはいえ、彼ももう四十路だ。20年ほど前のF1なら、40代のドライバーが現役を張れる余地がまだあったし、実際R・アルヌー(1989年当時41歳・リジェから出走)という実例もある。
しかし現在のF1は、度重なる規制にも拘わらず平均スピードは上がる一方。特にコーナリングスピードとそれに伴う横Gは他のカテゴリーにはない厳しさだ。
恐らくミハエルは、予選などで一発の速さは問題なく発揮するだろう。ダーティーな面こそあれ7度のチャンプは伊達じゃない。しかし300kmのレースディスタンスを高いレベルで走りきる事が出来るだろうか。そもそも引退の理由の一つに、身体能力低下による安定性の低下とミスの頻発があった訳で、それから中3年空けて以前と同等以上のドライビングが出来るとは、ちょっと考えにくい。
レースとなれば、下手をすると自分との戦いで手一杯になる事態すら危惧される。

ただ、彼にとって有利に働くかも知れないレギュレーション変更として、1993年以来となる給油禁止がある。2010年のマシンは、予めレースを走りきれるだけの燃料を満載してグリッドに着く事になる。これによりタンク容量は120リッターにも達すると見られ、スタート時に100kg弱のデッドウェイトを抱え込む訳だ。
それがマシンの走行に影響を与えない訳がない。2009年までの「片道分の燃料」と比べ、序盤の傾向としてブレーキングは早く、コーナリングスピードも落ち、立ち上がりも遅れるためトップスピードも伸びない。言ってみれば「お身体にやさしい」方向でレースが始まる訳だ。
とはいえ、路面のラバーグリップと併せタイヤの状態さえよければ疲労がピークへと向かう終盤にマシンが(恐らくはかつてないレベルで)速くなる訳で、そこを耐える体力と集中力が40の身体にあるかどうかについては若干の疑問があるが。


いみじくも同じドイツの若いチャンプ候補であるS・ベッテルはこのニュースについて、ミハエルがF1に復帰するのを嬉しく思うとしながらも、

「(ミハエルは)もう若くはない。若いドライバーについてこれるか様子をみてみよう」
とコメントしている。彼は普段大口を叩く方ではない(というか発言したことを粛々と実行してみせる)ので、恐らく本気で疑問視しているんだろう。そして恐らく、これが現在のトップドライバー達の本音を代弁していると思われる。今さらロートルが何の用だ?的な。

個人的にミハエルは嫌いな部類のドライバーであったが、それでも晩節を汚すような事がなければいいと思っている。
本来の古巣であるメルセデスによって「国威昂揚」のために駆り出された感のある今回の復帰。メルセデスに突きつけられた「恩返しの要求」が彼の経歴にとって仇とならない事を祈るだけだ。

ただまぁ、その40の彼がどこまで走れるかという部分については大いに興味のあるところだ。こんな悲観的な予想を吹き飛ばしてくれるのなら、それはそれで大歓迎だ。


…というか、いつまでも「過去の英雄」にすがっている時点で、F1というカテゴリーの衰弱ぶりが見て取れるのだが。

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posted by 環螢 at 17:59 | F1その他レース関連